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4月

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花の季節 花祭り

 4月は花の季節、派手さを競う桜もあでやかですが、山麓を黄色一色に変える菜の花もそれは見事です。

  木に花咲き君わが妻とならむ日の
    4月なかなか遠くもあるかな   (夕暮)

 土手に頚をもたげたスカンポの横には紫色のスミレが花をつけ、よく見ればカラスノエンドウもかわいい花を咲かせています。
 4月8日の花祭りはお釈迦さまの誕生を祝う祭りで、正しくは潅仏会(かんぶつえ)といいます。紀元前4、5世紀ヒマラヤ山南麓のアショカーの咲き誇るルンビニ園で生まれたお釈迦さまは、そのまま七歩歩いて「天上天下唯我独尊」と叫んだそうです。
 この日お寺では、ルンビニ園をまねてさまざまな花で屋根を飾った花御堂(はなみどう)と呼ばれる小さなお堂の中に、天上天下を指さして立つ誕生仏を設置します。
 その誕生仏に竹のひしゃくで頭上から甘茶を注いで礼拝します。お釈迦さまの体に五色の美しい水をふりかけて産湯をつかわせた、という縁起に基づくものです。4月8日は男女の成年式をおこなう日でもあつたようです。男子は高い山に登って成年式をあげ、女子は低い山に登ってヤマツツジなどの花を持って来て庭先に立てました。稲作の神さま、作神さまをお迎えするとともに、結婚できる青年の女子がいることを表す日本古来の花祭りです。この花祭りと潅仏会が重なりました。 甘茶は6月ごろ枝先にあじさいに花をつけるユキノシタ科の背の低い木、この下葉を煮出した甘い汁のことです。
 

山開き

 昔の人はこんもりとした山には神さまがいて、そこにあらたかなものを感じていました。山で働く人たちはその神さまをことのほか大切にして、一定の期間は山へ入ることも禁じておりました。山を粗末にすると鬼ややまんばに取り付かれ不幸が起こるとも言われておりました。
 山の神さまは田に水を分けてくれる田の神さまでもありました。田植えのころ里に降りて来て田の神さまに変わります。
 この山の神さまを里へ迎える日が神迎えといってとても重要な日で、村人は山に登り一日を楽しむ習わしがありました。その日が「山開き」、「高い山」でした。その日、重箱に煮しめや焼き魚などをどっさり詰めて、山に登って歌ったり踊ったり一日を楽しみます。今の山開きは登山の安全を祈る観光行事となっています。山の神さまにしかられないように、自然をこわさないようにして楽しみましょう。
 
 

ビーナスの日

 ミロス島はギリシャ神話の舞台としてしばしば登場するエーゲ海に浮かぶ島です。この島で一人の農夫が洞窟を発見、おそるおそる中に入ってみると大理石のかけらが散乱する中に婦人像が埋もれていました。これがミロのビーナス、1820年4月8日のことでした。ビーナスは、ギリシャ神話では愛と美の女神アフロディーテとして登場する美女の中の美女です。あるとき12神のオリンポスのうちの3人の女神が美を競い合いました。女神の主神、女性の守護神であるヘーラ、武装した処女神、知識や音楽の神アテナ、そして愛と美の女神アフロディーテです。判定者はトロイの王子パリス。いわゆるパリスの審判です。 いずれがアヤメかカキツバタの美しさに加えて、ヘーラは「私を選んでくれたら絶対的権力を授ける」と言い、アテナも負けずに「知力と戦争に勝つ力を授ける」、アフロディーテは「世界中で最も美しい女性を授ける」と言いました。
 さて、判定を下すのは至難の技です。絶対的権力者になれば美女を手に入れることも容易、戦争に勝つ力を授かれば絶対的権力者になることも可能、美女を得ても......と打算的に考えるような男ではなかったパリスは、アフロディーテを選びました。この審判が歴史の流れを変えます。パリスはスパルタで絶世の美女ヘレネを略奪して、トロイとスパルタのあの木馬で有名なトロイ戦争が始まりました。トロイのパリスは、美女は得たのですが力を得ることはなく、トロイは陥落するという結果となりました。パリスがもっと打算的だったらどうなっていたでしょうか。
 

花見

 人気アニメ「となりのトトロ」を見ていた子供たちが大喜びをしたのは森にすむトトロやネコバスの愛くるしい動きでした。
 そんな子供たちはこんもりした山や森を見ると「あそこにトトロはいるのかな......」。森や山があのアニメで随分身近になりました。
 昔から日本人はこんもりした山にはトトロならぬ山の神さまがいて、その神さまが春になると田の神さまに姿を変えて里に下りて来られると信じておりました。
 山を下りて来られる日が山開き、神迎えの日で、今でこそ観光行事化していますが、古くはこの日まで山に入ることを禁じて、それを固く守っておりました。その日は山に登って一日を楽しむ習慣がありました。
 若い人たちが歌を詠(よ)み、踊りながら配偶者探しをした奈良時代の歌垣や中国の踏青の行事などもその一つの流れでしょう。桜の下で花見をするのも桜の花が美しいからと言う理由だけで古くから連綿と続いているわけでもないようです。「さくら」は田の神さまがやどるところなのだそうです。ということから神さまのもとに人々が集まって共に遊ぶということが花見という祭りです。みごとに咲いた桜の花を見て秋の実りに思いをはせます。今はと言えば、カラオケ騒音と酔っ払い、そして、つわ者共の夢の跡よろしくゴミの散乱。自分だけが良ければという風潮がどれだけ環境破壊を引き起こしているかの実証になります。さぞや田の神さま、作神さまはおなげきのことでしょう。
 
 

サンジョルディの日

 4月23日は、女性から男性に本を、男性からは女性に赤いバラを贈る「サンジョルデイの日」です。どうも本屋さんや、お花屋さんの宣伝文句のようですが、スペインでは一般的な習慣のようです。いわれは、スペイン・カタルーニヤ地方の言い伝えです。昔々、悪い竜が住民を脅かすため、若い娘を毎日生け贅として竜に捧げていました。あるとき、その生け贅に王家の姫が選ばれてしまいました。そして生贄の姫が竜に襲われるというその時、ローマの騎士、サン・ジョルデイが白馬にまたがりさっそうと現れ、竜を一刀両断、見事姫を助けたのでありました。竜の流した大量の血は、真っ赤なバラの園になったということです。さて、4月23日は「ドン・キホーテ」で有名なスペインの作家、セルパンテスの命日。  セルバンテスをたたえる日と、サン・ジョルデイをたたえる日がいつの間にかいっしょになって、女性から男性に本、男性から女性にバラの花となったようです。サン・ジョルデイの日は、ユネスコによって「世界本の日」(World Book Day)とされています。また、イギリスの文豪、シェークスピアの命日でもあります。女性に赤いバラなんて恥ずかしくて......とシャイな日本人にはなじまず、広まってはいないようですが、バレンタインのチョコレートに比べれば、愛を伝え合う大人の日とも言えそうです。伝説の地、カタルーニヤ地方は、スペインの商工業の中心地。州都はバルセロナです。
 

出世魚

 新入生だけでなく4月は進級、就職など節目の月です。学校や会社などでの人事異動もこの月に多く、昇格、昇任、栄転、左遷......悲喜こもごもの人生模様がくり広げられます。
 魚の世界にも「出世魚」と呼ばれる成長とともに名をかえる魚たちがいます。ブリは関東では体長15cmまでをワカシと呼び、40cm位をイナダ、60cm位をワラサ、1m位になるとブリと呼びます。
 関西では呼び名が変わってツバス、ハマチ、メジロ、ブリと変わり、また高知ではモジャコ、ハマチ、オオイナとなります。
 地方によって呼び方も、その時の体長もさまざまです。
 関東では一般に養殖ブリをハマチと呼んでいます。ブリの養殖は瀬戸内で行われ、これが東京に多く出回ったことからハマチの名前が広まり、一般化してしまったものです。
 ボラも出世魚。オボコ、スバシリ、ボラと出世して、50cm以上になったボラがトドです。
 これが「とどのつまり」の語源で、これで成長はおしまいというわけです。
 
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